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  管  理  

花粉症について(こちらもご覧ください

   花粉症の原因となる物質を「抗原(=アレルゲン)」といいます。抗原が鼻や眼、喉から体内に侵入すると、私たちの体は「抗体(=IgE抗体)」という物質を作って抗原を攻撃します。このような体の防御システムを「免疫」といいます。しかし、抗体が体内で増えすぎると過剰反応を起こし、くしゃみ、鼻みず、涙、咳などによって抗原を排除しようとします。これが免疫過剰反応、つまりアレルギー性鼻炎、結膜炎、気管支炎です。

   花粉の飛散状況については、環境省花粉観測システムをご覧ください。

当院でのアレルギーの検査・治療の方針は、
検査;血中特異的IgE抗体検査
治療;薬物療法
です。

検査に、血中特異的IgE抗体検査を採用している理由は、定量的に測定でき偽陽性、偽陰性が出にくく、一度に多くの抗原を検出できる(医療保険上、現在一度に13種類まで)ことがメリットだからです。
花粉症に限らず、食べ物アレルギーなど「この物質の検査をしてほしい」ということがございましたら、ご家庭でアレルギーオーダー表を印刷して、チェックして持参くださればお調べいたします。一度に13種類まででしたら保険適応です。

花粉症に関する詳細

【花粉症を診断するための主な検査】

●鼻鏡検査
鼻鏡という器具を使用して、鼻粘膜の状態をみる検査。アレルギー性鼻炎だと、粘膜が青白くふくらんでいたり、鼻みずが粘膜の周りを覆っていたりする。

●鼻汁中好酸球検査
風邪の初期症状とアレルギー性鼻炎の症状を見分ける検査。スライドガラスに鼻みずをとり、試薬を加えて好酸球という白血球の数を調べる。好酸球の数が増加しているとアレルギー性鼻炎と診断される。

●皮膚反応検査
抗原を特定する検査。抗原液を注射したり、ごく浅い傷を作って抗原液をたらしたりして、皮膚の反応をみる。抗原に対する抗体をもっていると、かゆみや腫れ などの症状が現れる。検査結果に影響を及ぼすため、薬を服用している場合は必ず医師に相談すること。

●血中特異的IgE抗体検査(当院ではこれを採用しています)
抗原を特定する検査。採血し、抗原に対する抗体の有無を調べる。

●鼻粘膜誘発テスト
抗原を特定する検査。抗原を染み込ませたろ紙を鼻粘膜に置いて反応をみる。くしゃみや鼻みずなどの症状が現れることによって、抗原を特定する。


【花粉症の治療法】

●薬物療法(当院では主にこれを採用しています)
  • 抗ヒスタミン薬
    レスタミン,ダンリッチ,タベジール,ポララミン,アタラックス等
    止痒作用、鼻眼症状に対し即効的に効果は強いが、眠気も強いので、現在はあまり使われない。
  • ケミカルメディエーター遊離抑制薬
    インタール,リザベン,アレギサール,ケタス等
    鼻づまりに効果がある。内服薬と点鼻薬があり、効果が現れるまで2週間ほどかかる。
  • 第二世代抗ヒスタミン薬
    ザジテン,アゼプチン,セルテクト,ニポラジン,アレグラ,アレジオン,エバステル,ジルテック,タリオン,アレロック,クラリチン等
    症状全般に効果がある。眠気などの副作用が少ない。内服薬は、効果が現れるまでに2週間ほどかかる。点眼薬や点鼻薬は比較的即効性がある。
  • 抗トロンボキサンA2薬、抗ロイコトリエン薬
    ドメナン,ベガ,ブロニカ,オノン,キプレス,シングレア等
    鼻づまりに効果がある内服薬。穏やかな効き目で効果が現れるまでに時間がかかる。
  • ステロイド薬
    プレドニゾロン,メドロール,デカドロン,リンデロン等
    鼻粘膜の炎症を抑え、症状全般に効果がある薬。内服薬と点鼻薬がある。点鼻薬は数日で効果が現れ、副作用が少ない。
  • 点鼻薬(血管収縮薬)
    プリビナ,トーク,コールタイジン等
    鼻づまりに効果がある。即効性はあるが、使用しすぎると鼻づまりがひどくなる場合もあるため注意が必要。
  • 点鼻薬(ステロイド)
    アルデシン,フルナーゼ,ナゾネックス等
    比較的即効性で、1〜3日で十分な効果が出ます。抗アレルギー剤と併用することもあります。局所投与なので副作用はまずありません。
  • 点鼻薬(抗アレルギー薬)
    インタール,リボスチン,ノスラン,ソルファ等
    即効性はなく、予防的に早めに開始することがあります。長期に使用しても副作用はほとんどないことから、通年生のアレルギー性鼻炎に多く使われます。
●特異的免疫療法(減感作療法)
(患者様の求めがあれば当院でも対応いたします)
抗原を少量ずつ注射して体内に取り込むことによって、その抗原に対する反応を徐々に弱めていく治療法です。ごくまれに、アナフィラキシーショックなどの副作用がみられるため、反応に注意しながら行います。治療は週に1〜2回の皮下注射を2〜3年間ほどを必要としますが、治療を続けることで完治する可能性もあり、アレルギー性鼻炎の患者さんの約70%に効果があるといわれています。
しかし現実問題として、週に1〜2回痛い皮下注射に2〜3年も通うというのはほとんど不可能に近く、多くの患者様は脱落していかれます。また、上記アナフィラキシーショックの可能性もあり、やや危険な治療でもあります。そういった意味で当院では基本的には採用しておりません。ただ、リクエストがあるようでしたら当院でも対応いたします。

●手術
強度の鼻づまりやほかの治療法で効果がみられない場合は、手術による治療を行います。
レーザー手術は、抗原に対して過敏になった鼻粘膜を軽く焼くことで反応を弱めます。入院が不要なため用いられやすい方法です。個人差はありますが、数カ月から2年程度効果が持続します。しかし、焼かれた鼻粘膜はいずれ再生するため、完治にはいたりません。
そのほか、鼻粘膜を切除する手術や鼻づまりを改善する整復術、鼻みずを分泌する神経を切って鼻みずを止める手術などがあります。これらの手術はそれぞれ全身麻酔で行われ、1週間ほどの入院を必要とします。